四国遍路170万歩の旅

−定年遍路道中記−







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9.道路とトンネル

 お遍路に来て事故に遭い、金剛杖が卒塔婆になっては泣くに泣けない。車には一番気をつけ、歩道を必ず歩き横断にも今までになく神経を使った。
 遍路道は主要都市をつなぐ幹線道路も歩かざるを得ないがこの道路を長時間歩くほど辛いことはなかった。一言でいえば道路と道は異なるもの、道路は車が走るところで、人が歩く道ではなかった。
恐怖のトンネル

 国道も県道も人が安心して歩ける歩道が確保されていない。都市部や町や村など人の住んでいるメイン通りには一段高くなった歩道があるが、その間は途切れ途切れにしかなく、それも右側の歩道を歩いていたら突然なくなり反対側に歩道が変わる。その都度こわごわと横断を余儀なくされた。
 一段高くなった歩道のない道路には申し訳程度に白い線を引いた路側帯があるが、どこも幅が狭く車が来ると立ち止まって端に避けないと危険だった。

 更にこれは道路も歩道も同じだが日本の道路は斜めだった。この斜めは爪先あがり・爪先さがりではなく、右足さがりか左足さがりの斜めである。
 道路は水はけのため真ん中を中心に左右に傾斜しており歩く路側帯は一番傾斜のきつい端のところだ。また町中の歩道は水はけの傾斜に加えて民家や商店の前は車の出入り用に斜めになっている。

 常に右足か左足が下がって歩くのは距離が短ければ我慢できるが1日何十キロ、何十時間と続き、それが毎日だと想像以上に足に疲労がきた。特に足裏にマメが出来ると少しの傾斜でもずれが敏感に響き痛くて歩けない。幹線道路で平行なのは道路の真ん中と、強いてあげれば排水溝の上だけ、真ん中は歩けないのでもっぱら排水溝の上を歩いた。
 トンネルは文中にもあるとおり、想像以上に風圧、騒音、砂埃、排気ガスの四重苦が加わった恐怖の道路だった。
 

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