四国遍路170万歩の旅

−定年遍路道中記−







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4月8日(木) 19日目 「足摺岬で黒潮を胸いっぱい吸い込む」  晴

6:45宿出発…(東海岸回り)…足摺岬14:00…38番金剛福寺(15:00〜30)
…足摺岬・金剛福寺宿坊15:30着  <22.8キロ  30,468歩>

38番 金剛福寺
足摺岬・金剛福寺宿坊
 
足摺岬

 足摺岬へは旅館前の橋を渡って左に行く。前を歩くお遍路は右に折れて延光寺へ向かった。
 遍路道は小さな沈下橋を渡って大岐海岸の浜辺を遠くにみえる向こうの端まで歩きまた川を渡って道路にでる。以布利からは海岸線を東回りで行く。東海岸唯一の食べ物屋、窪津漁港の大漁苑で買った弁当を道路脇の草むらに座って食べ、車が1台やっと通れる狭い県道を歩き終わると四国の最南端足摺岬が見えてきた。

 ビランやアコウの亜熱帯植物が生い茂る林や椿のトンネルを抜けて天狗の鼻に出た。太平洋の激しい波風を受けて断崖絶壁にそそりたつ白亜の灯台は絵を見ているようだった。
 岬の展望台からの眺めは圧巻だった。抜けるような青空のもと、振り返れば今来た海岸線は弓のようなきれいな曲線を描き、前をみれば空の麓まで果てしなく続く太平洋がまわるく見え、後ろには緑濃い林の中にジョン万次郎の銅像と多宝塔の先端が見えた。
 このダイナミックな風景を見ながら大きく深呼吸して、はるか沖合を流れる黒潮のにおいを胸いっぱい吸い込んだ。

 「38番金剛福寺(こんごうふくじ)」は緑に覆われた高台の中に静かにたたたずんでいた。青木さんたちとはここでお別れだ。彼らは国民宿舎足摺テルメに泊まり、竜串海岸回りで延光寺に出る。恐らく延光寺には三原村経由の私が1日早く着き、もう追いつかれる事はない。
金剛福寺

 金剛福寺の宿坊も大きな宿坊だった。おかみさんが「みたところかなりくたびれているようだが足首は大丈夫? 足首が腫れて太くなったら歩行を緩めなさい」、「何時から?、ここまで21日ぐらいが普通だから早い方よ」と言って迎えてくれた。風呂場には洗濯機が3台自由に使え、洗濯物を放り込んでから一番風呂にのんびり入った。
 夕食までの時間を白山洞門から自然遊歩道を散策、地獄の穴などの「足摺山七不思議」の遺跡を見ながら灯台の下の亀呼場に出た。断崖絶壁でお大師様の故事にならって小さな声で亀を呼んだが浮かび出てこなかった。
 夕食は40人程の団体と個人の遍路が9人だった
 
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