四国遍路170万歩の旅

−定年遍路道中記−







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4月7日(水) 18日目 「四万十川の天然うな丼」  晴  

7:45ホテル出発…四万十大橋10:30…四万十屋(11:40〜12:10)
…真念庵14:40…下ノ加江・安宿旅館15:50着  <31.5キロ 42,041歩>

四万十大橋
番外札所真念庵
下ノ加江・安宿旅館
 

 朝食後、10日から13日までの宿を予約した。13日を宇和町の老舗旅館松屋、11日を観自在寺門前の山代屋旅館、12日を宇和島城近くのホテル、10日を延光寺門前にある3軒の民宿のうちどれにするか迷っていた。
 インターネット情報によるとひょうたん屋は評判が悪く、へんくつやは“へんくつ”でお好み次第とあったので、何の注釈もない3番目に記載の嶋屋にした。

 ホテルのから風光明媚な入野松原を抜け蛎瀬橋へ向かったが、道路が立派すぎて他に遍路道があるかと思い、喫茶店で道を尋ねると、ママさんが「道なりに行けばすぐ橋ですよ」と言ってゆで玉子を1つ手にのせてくれた。こんなちょっとしたふれあいがものすごくうれしかった。
 蛎瀬橋で横浜の青木さん達と3日振りに再会、今晩の宿は安宿旅館、明日は足摺岬と2日間同じ行程で連れ立って歩くことにした。

 四万十大橋に着いた。四万十川は窪川あたりで一旦海に近づくが山に阻まれ、また山間部に入って大きく迂回してここまでくる。もう河口に近いこの辺は時が止ったようにゆったりと流れ、川下りの屋形船が一艘のどかに遊覧していた。
四万十川 菜の花

 四万十川は、春はゴリ、夏はうなぎ、秋はアメゴ、冬は川海苔が名物だ。川岸には川海苔をとる小屋が並んでいた。ここまで来たからにはお昼は田吾作のうどんではつまらない。川魚料理で有名な四万十屋まで足を伸ばし、天然うなぎを食べようと、往復5キロかかるが遊覧船乗場まで歩くことにした。
 天然うな重3100円、天然うな丼2100円、養殖うな重2100円、養殖うな丼1100円とあり、天然うな丼を注文したが、大きな切り身が4っのっていて、関東とは焼きが違うせいかすこし硬かった。

 菜の花の咲き乱れる川沿いの中の小道を四万十大橋まで戻り、以布利までの321号線を行く。長い伊豆田トンネルを越えたところで2人と別れて番外札所真念庵に寄った。
 
真念庵
竹やぶに囲まれた草庵前の石垣には古い苔むした88体の石仏が整然と並び、近くには江戸時代の道しるべがたくさん残されていた。静かな竹やぶの中でたった1人で座っていると、わらじをはいたお遍路さんが今にも歩いてきそうな感じがした。そんな遠い過去からの流れを感じさせる真念庵とあしずり遍路道だった。

 「やすやど」と読むのかと思ったら「あんしゅく」と読むそうだ。部屋には氷の入ったポットが置いてあり、疲れたからだに冷たい水が心地よくのどを潤おす。夕食は10人、この宿はちょうど分岐点に位置し、これから38番へ行く人と、38番から打戻り39番に行く人の両方が泊まっていた。
 お遍路同士の会話に大きな声の親父さんと息子さんが加わってにぎやかな食事だった。私は三原村経由で延光寺に行くので明後日もこの宿に泊まる。いらない荷物を預かってもらい身軽になって足摺岬を歩くつもりだ。今日から毎日の日課からマメの手入れが無くなった。

 
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