四国遍路170万歩の旅

−定年遍路道中記−







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2日目 3月22日(月) 「初めての雨」  雨  

6:30宿出発…6番安楽寺(7:40〜8:00)…7番十楽寺(8:10〜40)
…8番熊谷寺(9:40〜10:00)…9番法輪寺(10:30〜45)…10番切幡寺(12:20〜50)
…11番藤井寺(15:30〜50)…鴨島町・セントラルホテル鴨島16:40着
 <34.2キロ 45,656歩>

 遍路宿の朝は早い、6時前に朝食の声がかかった。早く寝たせいか4時に目が覚めそっと窓を開けたがやはり雨、さいわい小雨なのでウインドブレーカーと傘で歩くことにした。
 おかみさんに見送られ6時半に出発、途中番外札所大山寺に行く山野さんと別れ、千田さんと車も人も少ない旧道を歩いて「6番安楽寺(あんらくじ)」に向かった。

 安楽寺の立派な宿坊や「7番十楽寺(じゅうらくじ)」の竜宮城かと思うような朱塗りの鐘楼門を見て、「8番熊谷寺(くまだにじ)」に着くと、スピーカーで朗々とご詠歌が流れていて静寂な場にふさわしくなく興ざめだった。
 「9番法輪寺(ほうりんじ)」はのどかな田園の中にあった。門前には「うどん」・「石焼き芋」の看板のある小さなお店があった。草餅と温かいお茶を、そしてお接待いただいた焼き芋を食べながら、おかみさんととおしゃべりを楽しみしばしの雨宿り。“鳴門金時”の焼き芋がおいしかった。

6番 安楽寺
7番 十楽寺
8番 熊谷寺
9番 法輪寺
10番 切幡寺
11番 藤井寺
 鴨島町・
セントラルホテル鴨島
はたきり観音像
 「10番切幡寺(きりはたじ)」までは約1時間、今までの平坦な道から山の中腹にある切幡寺までは333段の石段を登る。
 1段と高い重文の大塔からは、眼下に吉野川、その向こうに焼山寺の山並みと絶景の眺めだがあいにくの雨で霞んでいた。
 ここにはお寺の由来となった「はたきり観音像」がある。美しくてグラマーな観音さま、絶対に見逃さないように。

 「11番藤井寺(ふじいでら)」はここから9.8キロ、熊谷寺で勧められたうどん八幡亭で食べ
小雨の藤井寺
たあと、ここから千田さんと別れ先に行くことにした。彼は野宿用に寝袋から着替えまで約11キロのザックを背負い、どうしても歩くのが遅くなりがちだった。今日は門前のふじや旅館に断られ、鴨島駅近くのホテルに予約したが、藤井寺からかなりの距離があるのと、濡れた身体を少しでも早く乾かしたく、先を急ぎたかった

 吉野川の沈下橋に出た。沈下橋はやはり四国の風景だ。最初の沈下橋を渡り広い中州をペースをあげて歩く。2つ目の沈下橋・川島橋を渡り対岸の堤防に出たところで川下にくだり、車の激しい国道192号線を越え、辻つじの道しるべに迷うことなく藤井寺に着いた。大師お手植えの有名な藤棚はまだ3月、つぼみもなかった。

 参拝後、明日のへんろころがしの入り口「焼山寺みち」を確認してから、ホテルに向かう。途中、コンビニで朝食用におにぎりとつまみに小松島名物さつま揚げを買って、着いたホテルはきれいなシティホテルだった。

 到着時間が読めないのと朝食は7時からと聞いたので素泊まりで予約していた。エントランスで濡れた体を拭き、チェックイン、明朝の出発時間を聞かれ「6時半の予定です」と言うと、「歩き遍路さんには朝食におにぎりをお接待しています。20時頃にフロントにお寄りください」といわれ、思ってもみないことだったのでものすごくうれしかった。

 407号室、部屋に入ってからが忙しかった。今日は東京も終日雨、前橋では雪が降ったらしい。風がなくて助かったが1日中菜種雨で、ぬれた衣類を部屋中に所狭ましと吊るしてからバスに浸かった。缶ビールを買い、朝食用に買ったおにぎりを夕食にした。
 ザックカバーはしていたが雨がしみ込み中まで濡れてしまった。中身のひとつひとつをビニール袋に入れないと駄目だ。
 濡れたトレッキングシューズを持参したドライヤー(旅支度)で乾かす。天気予報では明日は晴れ、初めての「へんろころがし」が天気になってほっとした。

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