U.赤道直下の常春の地・キャメロン高原

1.キャメロン高原はマレーシアの軽井沢

ここは1886年英国国土調査官ウイリアム・キャメロンにより避暑地に適した高原として発見されました。軽井沢がアレキサンダー・クラフト・ショウにより開発・発展したのと同じ頃です。
松本清張「熱い絹」はここを舞台にしたサスペンスで、これはタイのシルク王ジムトンプソンの失踪事件を主題とした小説です。
事件は 当時の東南アジアのビッグニュースでした。
キャメロン高原〔筆者撮影〕

「熱い絹」はトンプソンの妹が殺された場所を、軽井沢に置き換えています。これは軽井沢がキャメロンとよく似た場所だからでもあるからでしょう。

さて クアラルンプール空港を出た車はマレーシアの南北高速道路に乗ります。この高速はシンガポール国境のジョホールバルからタイの国境までマレー半島を縦断する道路です。制限速度は110キロ。
高速の入り口や乗った後も渋滞するようなことはありません。
約3時間で山麓の町タパーから一般道路へ下ります。クアラルンプール(以下、KL)から約200キロ弱でしょうか。この小さなタパーの町は交通の要衝で、ローカルバスが近くの町や村へ発着します。タクシー会社の本社もあるようです。ここから舗装が余り上等ではない山道を 50キロ程登ってキャメロンハイランドの中心地タナラタへ行くことになります。
これは ちょうど羽田へ降りた人が東名高速で御殿場を経由しておよそ(静岡の磐田)つまり(タパー)へ着いたのと同じ状況かと思います。磐田から一般道路を使って山梨・長野方面へ向かい約50キロ先に常春のキャメロン高原があると、イメージしてください。
実際この高速道路は日本の技術供与でできたもので、全体の作りも何処となく日本的です。トイレに立てば(TOTO)の便器です。用足しの時に フト東名高速のどこかではないか と誤解するほどです。

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