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  富士山をぐるっと廻る           

青春18きっぷを使って、おじさん五人で富士山を一周する。名古屋から東海道本線に乗り、豊橋、浜松、島田と乗り継いで沼津に着く
沼津からは御殿場線で東海の軽井沢と称される御殿場に行く。御殿場は富士・愛鷹・箱根の三火山に囲まれた
富士山の裾野に広がる高山都市である
駅前の「桃中軒」で「みくりやそば」を食べる。みくりやそばとは御厨(御殿場)地方で宴の最後の締めの一品として振舞われた御殿場の伝統料理である
麺は山芋や自然薯をつなぎに使い、汁は富士山の伏流水を使用する
具は鶏肉、人参、椎茸を使う。大きめのお椀に麺、汁、具を一緒に啜り込む。思わず一滴も残さず啜る

御殿場から富士急バスで国道138号を河口湖目指して走る。県境の籠坂峠を越えると靄が晴れる
海抜928mにある日本第三位の山中湖を見下ろす
山中湖は富士五湖の中で最大の面積を持ち、富士山頂に沈むダイヤモンド富士が見られるとか

今日は曇り空で姿を見せてくれない。峠からと周辺から、しっかり山中湖を眺める
忍野八海でバスを降り、今夜の宿「民宿 玉の家」に荷物を置き、忍野八海を歩く
忍野八海は富士山の北麓に位置し、四方を山に囲まれている。茅葺屋根の家、水車小屋があり長閑な田園風景を見せる
富士山の伏流水を水源とする幽邃池で、国の天然記念物、名水百選に選定されている
富士山信仰に関する巡拝地として、八海それぞれに八大竜王を祀っている




出口池 一番霊場で難陀(ナンダ)竜王を祀る。忍野八海で最も大きい池で、周りに売店もなく最も自然な姿をしている 

お釜池 二番霊場で跋難陀(ウバナンダ)竜王を祀る。忍野八海で最も小さい池で、豊富な水量を誇る
釜中に熱湯が沸騰するような形から名づけられた池

底抜池 三番霊場で婆加羅(シャガラ)竜王を祀る。とちの大木や樹林が生い茂る。洗物が消えるという伝説がある

銚子池 四番霊場で和脩吉(ワシュキツ)竜王を祀る。池底の砂を巻き上げ水が湧く。酒を注ぐ銚子の形をしている

涌池  五番霊場で徳叉迦(トクシャカ)竜王を祀る。深い水底の景観が美しく、忍野八海一の湧水量を誇る池で土産物屋が立ち並ぶ
。富士山の女神・木花開耶姫命(このはなさくやのみこと)が作り出した池という伝説がある

濁池  六番霊場で阿那婆多(アナバダッタ)竜王を祀る。旅の行者を咎めたとたん、池が濁ってしまったという昔話がある
今は井戸水が流入して濁っていない

鏡池  七番霊場で摩那斯(マナシリ)竜王を祀る。ここに生える菖蒲は、重い病気を治す効果があったという伝説がある。水面に逆さ富士を映す池

菖蒲池 八番霊場で優鉢羅(ワハラ)竜王を祀る。菖蒲にまつわる美しい伝説が残る。時期になると、おとなの背丈ほどに成長した菖蒲が見られる






忍野八海を巡って、忍草浅間神社・東円寺・お宮橋に寄る。忍草(しぼくさ)浅間神社は二十数本の樹齢数百年のイチイの巨木と
高さ37m・根回り10mの大ケヤキが境内に聳える
807年に創建され本殿に木花開耶姫命・鷹飼(たかかい)・犬飼(いぬかい)の三神像を祀る。随神門に運慶作の金剛力士像が聳える
東円寺は富士山の修行道場として創建された、延暦寺の末寺で鐘楼門にかかる富士桜がきれいだった
お宮橋は木造の大門橋で両岸にソメイヨシノが満開に咲き、富士山が美しく見えるポイントという
民宿での馬刺し、公魚のフライでのお酒は最高だ。泊まったのは、われわれ五人だけ


翌日は、海岸線20キロと五大湖中最大という河口湖に行き、富士山パノラマロープウェイに乗る
三分間の空中散布で856mの湖畔駅から1075mの富士見台駅に行く
展望台から富士山を山頂から裾野まで、じっくり眺める。見下ろせば河口湖で、周りを満開の桜が寄り添う
今回の旅行で唯一富士山を眺める絶景ポイントとなる
ここ天上山は、老婆を残虐に殺した狸を老爺に代わって兎が成敗する日本の民話 カチカチ山の舞台である
うさぎ神社に参拝する。富士見兎の脚を撫で、夢見兎の頭を撫でる







河口湖畔の桜並木を走り、新御坂トンネルを潜る。果樹農園の桃の花が一面大地を染める。甲府で山梨の代表銘菓で
黒蜜たっぷりに黄粉の「桔梗信玄餅」を土産に買う。黄粉が混じり黒蜜浸みこむ「桔梗信玄棒」も買い、身延線に乗り込む
身延線は甲府盆地から駿河湾沿岸にかけて、富士山と赤石山脈に挟まれた富士川流域を走る山岳路線である
昭和3年3月30日全線開通し、今年90周年を迎える。沿線に「感謝を込めて」と書いた幟旗が立っている
富士から島田、浜松、豊橋と乗り継いで名古屋に帰る。名古屋駅構内で、揚げたて天ぷらきしめんを食べJR572キロの旅を終える
。富士山を東西南北から眺める旅は、河口湖だけ眺めただけに終わる。

白き富士花びら散らす河口湖

花蕾湧水溢る忍野池

桜花富士と湖壁画にす

記  久田宣生氏 30年4月

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