2014.11. 4「シニアの東都見聞録(9)」
東京に集まる古今東西の名品
          …2014年秋の展覧会…
    井出昭一
 美術の秋となると各地で展覧会が盛んに開かれます。幸いなことに東京では居ながらにして古今東西の名品に出会うことができます。特に今年は充実した内容の展覧会が続々と開催されてきています。すでに会期を終えた展覧会では「台北 國立故宮博物院」(6/24-9/16、上野公園・東京国立博物館)、「菱田春草展」(9/23-11/3、北の丸公園・国立近代美術館)、「名画を切り、名器を継ぐ」(9/20-11/3、青山・根津美術館)が見応えのある素晴らしい展覧会でした。   
 これらの展覧会を見逃してしまった方もがっかりすることはありません。まだまだ年内に下記のような展覧会が開催されているからです。
 この中で一つを選ぶとしたら、迷うことなく「日本国宝展」を推奨します。通常の展覧会では10件の国宝が展示されれば話題になりますが、「日本国宝展」ではなんと約120件の国宝が集結するうえに、今年は天皇陛下の傘寿を記念する年に当たることから正倉院の宝物が11件も特別出品されます。
 会期中、展示替えがありますので、全てを鑑賞するには数回通わなければなりません。数回通うだけの価値ある国宝展です。会期末が近づくと多分長蛇の列となりますのでできるだけ早いうちに見ることをお勧めします。
 また、東京都美術館は毎月第3水曜日がシルバーデーとなっていて、65歳以上の方は無料です。11月19日(水)は混雑が予想されますが、運転免許証など年齢証明できるものを提示すれば、通常1000円のところを無料で「ウフィツィ美術館展」を楽しむことができます。
 現在開催中の展覧会を、会期末が早く到来する順に列挙すると下記のとおりです。美術の秋を存分に楽しんで下さい。    

展覧会 会期 会場
「浮世絵名品展 北斎」 9/13-11/ 9  上野公園・上野の森美術館
「輝ける金と銀 琳派から加山又造まで」 9/23-11/16  広尾・山種美術館
「東山御物の美」 10/ 4-11/24  日本橋室町・三井記念美術館
「青磁のいま」 9/13-11/24  北の丸公園・東京国立近代美術館 工芸館
「日本国宝展」 10/15-12/ 7  上野公園・東京国立博物館
「高野山の名宝」 10/11-12/ 7  六本木・サントリー美術館
「ウフィツィ美術館展」 10/11-12/14  上野公園・東京都美術館
「松平不昧の数寄」 10/ 4-12/14  白金台・畠山記念館
「チューリヒ美術館展」  9/25-12/15  六本木・国立新美術館
「仁清・乾山と京の工芸」 10/25-12/21  丸の内・出光美術館
「ボストン美術館 ミレー展」 10/17- 1/12  丸の内・三菱一号館美術館
 
①「浮世絵名品展 北斎」 ③「東山御物の美」 ④「青磁のいま」
「日本国宝展」 ⑥「高野山の名宝」

⑦「ウフィツィ美術館展」 ⑧「松平不昧の数寄」 ⑨「チューリヒ美術館展」

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