高島克規のインド日記
テレビ放送
<注1>
  現在、国営テレビは人口の87%をカバーしている。国営放送局のオール・インディア・ラジオ(AIR)のテレビ番組は「望遠」を意味するドゥールダルシャンと呼ばれ、全国放送と地方放送がある。ドゥールダルシャンは、1959年にAIRの一部門として週2回、各1時間ずつの白黒放送として試験的にスタート、1961年に教育目的にも利用されるようになった。1972年、ボンベイ(ムンバイ)にインドで2局目となる放送局が設立されたのを皮切りに、1975年までにアムリッツァル、スリナガル、カルカッタ(コルカタ)、マドラス(チェンナイ)、ラクナウなど地方都市に放送局が次々と設立された。
  初期のテレビ放送は、政府の方針をプロパガンダすることを目的としており、政治や経済関連のニュースや農民を対象とした情報を放送していた。また、放送の目的の一つが、ヒンディー語の利用を広めるということだったため、それ以外の言語での放送は行われていなかった。