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「月15万円年金で暮らせる海外リゾート 常春のマレーシア キャメロン・ハイランド」 序文
月15万円年金で
「もう10年以上も前。偶然なことから東京女子医大病院で急性心筋梗塞の緊急手術を受けた。命拾いをした後 退院のときの主治医の勧告は、規則正しい生活を送ること、タバコを辞めること、元気になったら運動療法として毎日一万歩の散歩をすること、であった。

タバコはなんとか辞めることができた。また春から秋までの散歩は爽快であった。しかし東京の冬は厚着をしても体が凍え、心臓の既往症を持つ者には 良いはずがない。冬はどこか暖かいところで保養したいと考えたが、国内の南の島での長逗留はこの物価高、年金生活者には手が届かない。ハワイやオーストラリアは、日本より物価が安いとは言うものの、それでも住宅費が高くつくので高嶺の花。

ある日松本清張の「熱い絹」を読んだ。するとこの小説の舞台となるマレーシアのキャメロンハイランドのことを(熱帯の軽井沢)と書いてあるではないか。この高原リゾートは海抜1500メートル。ゴルフ場があり たくさんのホテル、別荘があるとのこと。

赤道直下の平地は年中酷暑であっても海抜2000メートル級の高地は常春の地のはずだ。で、1996年 症状が軽くなったので はじめてキャメロンへ行ってみた。

まず治安の良さに驚いた。マレーシアは日本の9割、九州を除くほどの面積に たった2200万人。資源も豊富で産業も発達。労働需要が高く、失業率も非常に低いし他の東南アジア諸国の労働条件とは全く異なる。また街頭犯罪、押売り等 犯罪発生率も極めて低い。
治安はアメリカの都会や南欧よりずっと良いくらいだ。

キャメロン高原は奥行き20数キロの大きな高原リゾートであるが、ここにもストリートボーイは全くいないし、点在する山荘にはガードマンすら見当たらない。
次いで気候。ここは1年を通じて殆ど25度を超えない常春の高原。自然の風で十分なのでホテル、アパートでも冷暖房は必要ない。

  森林に囲まれているので健康には非常に良さそうだ。
  物価も安い。ホテル、アパートの料金は日本の五分の一。
  食事も約五分の一。バス代にいたっては十分の一だ。

  宗教は、一応国教はイスラム教だが、信教の自由は守られ仏教、キリスト教、ヒンズー教も広く普及している。イスラムと言うと狂信的な宗教と心配する人がいるだろう。ところが酒は街頭で売っているし、華人のレストランに行けば豚肉料理も自由だ。それに国を挙げて(ルック・イースト)長らくに日本に学べ政策を取って経済は目覚しく発展し、極めて親日的な国である。」